今季シリーズ2度目の開催となったハンプシャー州のスラックストンサーキット。ダギー・ボルジャは自身のNo.25 のマシンにはやや向かないこのサーキットでも最大限のポイントを稼ごうと臨んでいました。そして、週末を通していくつかのつまずきがあったものの、16歳のダギーは日曜日のファイナルレースで力強い走りをして好印象を与えました 。
F4が3セッションもあるという過密気味なスケジュールの土曜日は、まず予選から始まりました。新品タイヤを装着したダギーは、2周のウォームアップラップを入れてから、他のカーリンの3台とともにアタックに入りました。ペースがやや落ちると、ダギーはピットに戻って2セット目の新品スリックタイヤを装着。予選セッション中盤にコースへと戻りました。最終的にダギーは1分13秒372を記録。このタイムはどのチームメイトよりも速く、レース1には10位、リバースグリッドのレース2には7位となりました。しかし、ダギーの予選2番手タイムはやや遅く、日曜日のファイナルレースのスターティンググリッドは14位になってしまいました。
週末最初のレース1で、ダギーは良いスタートから1周目の間にアイデン・ニートから9位の座を奪い、先行集団にプレッシャーをかけました。数周の間順位を維持したあと、ダギーはジョセフ・ロークとジェームス・へドリーとの接触があったもののダメージもなくレースを続行。8位にあがります。次の標的はマシュー・リースとジョエル・グランフォースです。ダギーはこの二人に追い付くと、バトルの末6位に浮上。ダギーは勢いもそのままにエドゥアルド・コセテンに迫り、ザ・コンプレックス(キャンベルとコブの連続コーナー)からその先で追い抜きに成功。残り5分の時点で5位になったダギーには、ルーキー部門の表彰台も見えていました。しかし、1周目に抜かれたニートがその仕返しとばかりに迫り、ダギーも必死に防戦をしましたが、残り数分のところでニートに抜き返されてしまいました。ダギーは6位でフィニッシュしましたが、先のロークとへドリーとの件でペナルティをもらい、10位となりました。
土曜日のレース2では、ダギーはグリッド7番手、前にはチームメイトたちがいるところからのスタートでした。この出来事がいっぱいだった20分間のレースで、ダギーはさまざまな経験をしました。オープニングラップでは前でクラッシュがあったためにダギーは減速を余儀なくされ、ライバルたちに抜かれてしまいました。2周目に集団の後方14位となっていたダギーは、そこから挽回を始めました。4周目、ライバル3人を抜いて11位へ。この3人にはレース1の勝者オリバー・グレイもいました。その直後の周に他の二人はふたたび抜き返してきましたが、ダギーは負けずに攻め返します。すぐにローク、ザック・テイラー、クラッシュでマシンにダメージを負ったアビー・プリングを抜いて8位に浮上します。しかし、No.84のロークとの激戦はまだ終わりではありませんでした。15周目にロークはダギーを再び追い抜き、レース時間最後にはロークとダギーをテイラーが抜き去りました。レース結果はダギー・ボルジャの望んだものではありませんでしたが、ダギーとチームは日曜日の最終レースに向けて立て直しに入りました。
難しかった土曜日を終えて、ダギーのコメント:
「今日はプラン通りには行きませんでした。自分としてはかなりうまくドライブできていたのですが、予選も二つのレースとも結果に結びつきませんでした。いくつかのインシデントに遭ってしまったことで後方に落ちてしまい、そこからポイント圏を争うことになってしまいました。」
日が変わって、ダギーとカーリンチームはリフレッシュした前向きな気持ちで日曜日に臨みました。14位スタートなのを念頭に、若きダギーの主目標はクリーンなドライブと簡潔なレース運びで、できる限り順位を上げるというものでした。とても力強いスタートを切ったダギーは、順位を二つあげて11位になり、5周目の終わりには9位にあがっていました。さらに前方でのセーフティカー導入の原因となる接触があり、ダギーはすぐに7位に浮上します。だが、レースはまだ終わりではありません。レースが再開されると、1周2.35マイル(3.79Km)のコースを15周で争われたレースが終了するまで、ダギーは見事なパフォーマンスでその順位を守りきったのでした。
日曜日のレースを終えて、ダギーのコメント:
「この週末を充実した形で締めくくれました。スタート順位から、全力でポイントを獲得に行くのが目標でした。7位はとても良い結果でしたし、これを実現させてくれたチームのハードワークに感謝しています。」
ココロ・パフォーマンス代表、キーレン・クラークのコメント: 「今日はダギーのパフォーマンスの素晴らしい挽回ぶりを見ました。ダギーの心の状態は前日とは異なり、これが結果となって表れていました。このポジティヴな心構えをしっかり会得して、今後のレースでも続けていく必要があるでしょう。」
英国F4は、3週間のブレイクのあと9月18-19日にクロフト・サーキットで3レースが行われます。