シルバーストンは落胆の週末 次のラウンドに照準を定めて

日本人ドライバーのダギーことボルジャ・ダグラスは、クロフトでの英国F4選手権優勝の翌週にシルバーストンでのレースに臨みました。が、16歳のダギーとチームにとって、マシンにダメージが及ぶ出来事もあり、厳しいものになりました。それでもダギーは頑張りをみせて、レース3ではポイントも稼いだのでした。

灰色の空と霧も出た土曜日の朝、F4クラスの各車は予選開始に向けて整列していました。金曜日のテストでペース不足で苦しんだカーリンチーム勢は、週末を通して挽回しようとしていました。予選でのダギーはウォームアップの周回を重ねたあとアタックラップに入り、トラフィック(遅い車両)を避けながら堅実なラップを重ねました。シルバーストンのナショナルサーキットのラップタイムは56秒ほどで、予選での全17台のタイム差はきわめてタイトなものになります。20分間のセッションが終了し、ダギーは10位からわずか0.05秒差ながら13位になりました。これでダギーはレース1とレース3は13位から、レース2は5位からのスタートとなりました。

レース1のグリーンフラッグが振られる頃には、少し霧も晴れました。ダギーはチームメイトたちと並んでのスタートで、カーリン勢は4台とも良いスタートを切りました。しかし、ダギーはコースを外れ隊列の最後尾に落ちてしまいました。ダギーは失った順位を挽回できると考えていました。実際、ダギーは最後尾から一時12位にまで挽回し、さらにチームメイトのジェームス・へドリーとのバトルになりました。しかし、二人はウェリントンストレートで並び、ダギーはまた13位になってしまいました。結局、ダギーはチェッカーフラッグまでその順位を堅持しました。25号車のダギーにとって落胆する展開でしたが、レース中有望なペースを叩き出してもいました。

土曜日を終えたダギーのコメント

「予選は厳しいものでしたが、セッションを通してマシンからすべてを引き出したと思います。レースでは自分のミスでフロントウイングにダメージを負ってしまい、レースの間中難しいものになってしまいました。チームに申し訳ないです。」

厳しい日となってしまいましたが、ダギーはカーリンチームのテントを訪れたファンたちと写真に納まったり、サインをしたりして、楽しい時間も過ごしました。

土曜日の朝のレース2は5位からのスタートで、後方からランキング上位の選手たちが迫ってくるという位置でした。それでもダギーは表彰台をめぐる戦いができるという自信がありました。ところが、フォーメーションラップで1番グリッドの付近にマシンから漏れたオイルが落ちていました。コースマーシャルたちがオイルの処理をするため、レースの開始がやや遅れることになりました。この遅れがBTCC(英国ツーリングカー選手権)のテレビ放映時間に影響しそうになることから、英国F4はBTCCのレース1の後に延期されてしまいました。しかし、レースに向けて集中して気持ちを高めていた若い選手たちにとって、この1時間の延期は厳しいものになってしまいました。第23戦(レース2)がやっと始まると、ダギーは好スタートからすぐに4位に上がりました。他車のトラブルにより短いセーフティカーが入ったあと、ダギーは3位をうかがい仕掛けはじめました。すぐ後ろにはチームメイトのタサナポール・インスラフューヴァサクも従っていました。ところが、3位争い中にダギーとデビッド・モラレスが接触。ダギーの車両はコース外へと飛ばされてしまい、フロアにダメージを負ってしまいました。このダメージでダギーはリタイアを余儀なくされてしまいました。表彰台が見えていただけに、残念な結果でした。

この週末の最後のレースでは、ダギーはふたたびカーリン勢のチームメイトたちと並ぶ13位からのスタートとなりました。オープニングラップで各車は激しい順位争いを展開し、コーナーに3ワイド(3台横並び)で飛び込むシーンもありました。そんななかダギーは、ターン2でのバトル中に他車ともつれてコースを大回り。これでダギーは隊列の最後尾に落ちてしまいました。1周したのちダギーはピットへ入りました。ここでチームは素早い作業でダギーを送り出し、ダギーはふたたび挽回へと向かいます。レース2を残念な形で終えたことも念頭に、ダギーは全力で集団を追いかけました。前方での出来事によってセーフティカーが入ったことも、ダギーにとって有利になりました。ダギーはその先のごたごたには巻き込まれないようにしながらも、レースの間中力強い走りを展開。他車のリタイアもあって10位で完走しました。途中、360度一回転するスピンも喫しましたが、スピンから止まらずにそのまま走り続け、そのマシンコントロールの巧さが実況でも絶賛されるという瞬間もありました。いつもと違うレースになってしまいましたが、ポイント1点を稼いだことに加えて、いくつかのポジティヴな点も得られたレースでした。

レースを終えて、ダギーのコメント

「ここシルバーストンのレースは忘れたいものになってしまいました。毎レースでマシンにダメージを負うなど、困難なときが何回かありました。その都度マシンを直してくれたチームにはとても感謝しています。次のF4はドニントンです。あそこは好きなコースです。ドニントンでのレースで今週の挽回をしたいです。」

ココロ・パフォーマンス代表、キーレン・クラークのコメント

「モータースポーツには良いときもあれば悪いときもあります。先週末の優勝という良いときのあと、今週末のシルバーストンは残念なイベントになってしまいました。しかしながら、これもダギーにとって良い学習となるでしょうし、ダギーがこれからモータースポーツの道を進んでいくなかで思い出していくことにもなるでしょう。我々は次のラウンドに向けて全力を挙げていますし、もっとポジティヴになると確信しています。」

英国F4の次戦は、ダービーシャーのドニントンパークサーキットで10月9-10日に開催されます。

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